音階は調と深い関係がある
音階というのは、1オクターブの範囲における音の上がり下がりについての事ですが、この音階と「調」という仕組みについてはとても深い関係があります。
「調」というのはCメジャーキーやハ長調というものの事です。
「調」は、楽曲を作る際の音の仕組みについて取り決めるためのものです。
例えば、「ハ長調」という場合には、「ハ」から始まる長音階の音を使って楽曲を作るという事を表しています。
※ 「ハ」というのは日本音名で、「ド」にあたります。
つまり、「ハ長調」というのは、「ド」から始まるナチュラルメジャースケールの音である「ドレミファソラシド」を使って楽曲を作る事を表しているという事です。
※ ただし、この「調」と音階の関係性は、ナチュラルメジャースケールとナチュラルマイナースケールの2つにおいてのみ成り立っていて、琉球音階・沖縄音階、ペンタトニックスケールなどのような音階で定められる「調」はありません。
短調はナチュラルマイナースケール
同じように、短調の場合には、ナチュラルマイナースケールの音が使われます。
例えば、「ハ短調」という場合には、「ド」から始まるナチュラルマイナースケールの「ドレミ♭ファソラ♭シ♭ド」という音を使う事になります。
このように、自然短音階と自然長音階は「調」と深い関係があります。
というよりも、「調」というのは、楽曲の中で、何の音を起点とした自然短音階、または自然長音階の音を使うのかを定めるためのものなので、自然と「調」と自然長音階と自然短音階にはこうした関係性があるのです。
※ また、「ハ短調」の始まりの音としての「ド」は、「ハ短調」における「主音」というように呼ばれます。
琉球音階・沖縄音階やペンタトニックスケールは調の中で使う
それでは、琉球音階・沖縄音階やペンタトニックスケールは、楽曲の中でどういう風に使うのかというと、楽曲の調で定めているナチュラルメジャースケール、またはナチュラルマイナースケールの始まりの音を、琉球音階・沖縄音階やペンタトニックスの始まりの音として、楽曲内で使います。
例えば、「ハ長調」の楽曲の場合、「ド」を始まりの音としたナチュラルメジャースケールの音を使うので、「ハ長調」の楽曲では、「ド」を始まりの音とした琉球音階・沖縄音階やペンタトニックスケールを使います。
※ 「長調」の場合、その長調で使うナチュラルメジャースケールの始まりの音を起点としたメジャーペンタトニックスケールを使い、「短調」の場合、その単調で使うナチュラルマイナースケールの羽島rの音を起点としたマイナーペンタトニックスケールを使います。
ですので、「ハ長調」の楽曲では、「ド」を始まりとした琉球音階・沖縄音階である「ドミファソシド」というスケールになります。
こんな感じで、ナチュラルマイナースケールとナチュラルメジャースケール以外の音階は、その楽曲の調における主音の音名から始まる音階として使われます。
琉球音階(沖縄音階)はペンタトニックスケールと似ている
沖縄という場所は日本でありながら独特の文化があり、その中でも民謡などの音楽で特有の文化を生み出しています。
沖縄で使われる音階に琉球音階、または沖縄音階と呼ばれる音階があります。
この音階は、仕組みがペンタトニックスケールにとても似ています。
琉球音階・沖縄音階は、ナチュラルメジャースケールの第二音と第六音を省いた状態の音階になります。
Cナチュラルメジャースケールの場合、「レ」と「ラ」の音を抜いた状態の音階が琉球音階になります。
琉球音階・沖縄音階にはマイナーが無い
琉球音階・沖縄音階には、メジャーの音階しかなく、マイナーの音階、つまり、暗い響きになる音階がありません。
ここら辺は、沖縄の明るい雰囲気がどうして作られているのかを考えさせられるところですね。
音階にマイナーが無いという事は、短調の楽曲には琉球音階を使う事は出来ないのかというと、そんなことはありません。
短調の楽曲に、琉球音階をそのまま使ったとしても、とてもしっくりきます。
ただ、琉球音階自体が明るい響きを含んでいますし、独特の民謡的な雰囲気を含んでいるので、楽曲自体が琉球音階の響きに引っ張られてしまいます。
ですので、琉球音階を使う際には、そうした響きを加えたいという意図がある箇所で使うようにすると良いと思います。
ペンタトニックスケールの仕組み
ロックやポップス、ジャズ、ブルースなど、様々な音楽ジャンルで使われるスケールの種類の1つに「ペンタトニックスケール」と呼ばれるスケールがあります。
この「ペンタトニックスケール」というスケールにはメジャーとマイナーがありますが、どちらも基本的には同じ仕組みで作られています。
「ペンタトニックスケール」も、ナチュラルマイナースケールなどと同じく、ある音から1オクターブ上のその音まで階段状に並べるという仕組みは同じになっていて、違いは階段状に並べる間隔が違うだけです。
メジャーペンタトニックスケールという音階
メジャーペンタトニックスケールという音階は、ナチュラルメジャースケールの第四音と第七音を省いた状態で階段状に並べた音階になります。
例えば、「Cナチュラルメジャースケール」であれば、「ファ」と「シ」の音を省いた「ドレミソラド」という間隔で並べた状態がメジャーペンタトニックスケールとなります。
音の間隔で言うと「全 全 1音半 全 1音半」という並びで階段状になっている状態だメジャーペンタトニックスケールです。
この間隔で並んでいると、「レ」を起点としていても、「ミ」を起点としていても、同じような響きの音階になります。
また、メジャーペンタトニックスケールも、起点の音を音階名の先頭に付けて、「Cメジャーペンタトニックスケール」というように音階名が決まります。
マイナーペンタトニックスケールという音階
マイナーペンタトニックスケールは、メジャーペンタトニックスケールと仕組みが同じで、ナチュラルマイナースケールから2つ音を省く事で作られます。
ただ、マイナーペンタトニックスケールの場合、ナチュラルマイナースケールの第二音と第六音の音を省きます。
このように、ペンタトニックスケールと呼ばれる音階は、メジャーであれマイナーであれ、自然短音階と自然長音階の音を省いて作られます。
ペンタトニックスケールと同じような仕組みで作られる音階に、琉球音階(沖縄音階)があって、琉球音階(沖縄音階)でも、ナチュラルメジャースケールの特定箇所の音を省くことで作られます。
スケールには様々な種類がありますが、このように、ナチュラルメジャースケールとナチュラルマイナースケールを基本形として、そこから音を省くことで作られるものが多いので、その点を頭の片隅に置きながらスケールについて学習すると覚えやすくなると思います。
音階の仕組みは意外と簡単
音階というのは、ある音から1オクターブ上のその音までを階段状に並べたものの事です。
音階は「スケール」と呼ばれます。
音階の仕組みは意外と簡単で、特定の規則に従って音を並べる、というだけです。
例えば、私たちが音楽の授業で習う「ドレミファソラシド」というのも音階の種類の1つで、「ドレミファソラシド」は「ド」を始まりの音として、「全全半、全全全半」という間隔で音を並べています。
この「全全半、全全全半」という間隔で並べた音階の事を「ナチュラルメジャースケール」、または、「自然長音階」と言います。
ナチュラルメジャースケールというスケール
「ドレミファソラシド」は「ド」を始まりとしたナチュラルメジャースケールですが、
「レ」を始まりの音とした場合にも「全全半、全全全半」という間隔で音を並べた場合にもナチュラルメジャースケールになります。
実際にピアノで鳴らしてみると、「ドレミファソラシド」と同じような響きの音階に聴こえると思います。
このように、音階というのは何の音を始まりにしたとしても、同じ音の間隔で並べると、同じような響きの音階になります。
音階名(スケール名)は、何の音を始まりにしているかで決まる
ただ、「ド」を始まりの音にした「ドレミファソラシド」と、「レ」を始まりの音とした「レミファ#ソラシド#レ」を、同じナチュラルメジャースケールという呼び方にしてしまうと、何の音を始まりにしているかが分からないので、音階名を言う時には、何の音を始まりにした音階なのかが判断できるように、音階名の先頭に、始まりの音の音名を付けて呼びます。
例えば、「ド」から始まるナチュラルメジャースケールの場合、「Cナチュラルメジャースケール」と呼び、「レ」から始まるナチュラルメジャースケールの場合、「Dナチュラルメジャースケール」と呼びます。
音階の種類について
冒頭でも説明したように、音階は、ある音から1オクターブ上までのその音までを階段状に並べたものの事です。
そして、どういった間隔で音が階段状に並んでいるかによって、音階の種類が決まります。
「全全半、全全全半」という間隔の場合には「ナチュラルメジャースケール」という名称の音階でしたが、「全半全、全半全全」という間隔で並んでいる場合、「ナチュラルマイナースケール」という音階名になります。
例えば、「ラ」を起点として「全半全、全半全全」という間隔で音を階段状に並べると、暗い雰囲気の音階である「Aナチュラルマイナースケール」になります。
このように、音階というのは、どういった間隔で音が並んでいるかによって種類が異なり、何の音を始まりの音にしているかによってスケール名が付けられます。
ロックやポップスなどのジャンルで頻繁に使われるペンタトニックスケールや、沖縄民謡で使われる琉球音階(沖縄音階)といった音階なども、基本的な仕組みは同じになっています。